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東京高等裁判所 昭和38年(う)1776号 判決 1965年3月31日

被告人 早野良雄 外一名

主文

原判決を破棄する。

被告人師角を懲役四月に、

同早野を懲役三月に、

各処する。

但し、被告人両名に対し、本裁判確定の日から、いずれも三年間右各刑の執行を猶予する。

被告人師角から、押収してある現金九、〇〇〇円(原審昭和三八年押第四五号の三、五、七、九及び一一 以上千円紙幣九枚)を没収し、金一、〇〇〇円を追徴する。

被告人早野から、押収してある現金一五、〇〇〇円(同押号の一三 千円紙幣一五枚)を没収し、金三、〇〇〇円を追徴する。

理由

本件控訴の趣意は、千葉地方検察庁検事正代理検事浅見敏夫作成名義の控訴趣意書に記載するとおりであるから、ここに、これを引用するが、これに対する当裁判所の判断は、次のとおりである。

控訴趣意第一点 無罪部分の事実誤認と法令適用の誤りについて、

所論は、原判決が、本件公訴事実中、「被告人師角が、昭和三七年一〇月二三日ころ、千葉三郎事務所において、加納久朗候補者の選挙運動者である被告人早野に対し、同候補者に当選を得しめる目的をもつて、選挙人神崎平次外五名に対し、同候補者のための投票並びに投票取纒等の選挙運動の報酬として供与されたい旨依頼し、その資金として現金一〇、〇〇〇円を交付した」との事実及び「被告人早野が前同日ころ、前同所において、被告人師角から前同趣旨で交付されるものであることの情を知りながら現金一〇、〇〇〇円の交付を受けた」との事実につき、各被告人とも無罪の言渡しをしているのであるが、右は事実を誤認したか法令の適用を誤つた違法がある、というのである。

さて、原判決は、被告人師角、同早野間に授受された右金一〇、〇〇〇円は、原判示選挙に関し、原判示加納久朗候補者の選挙運動者であつた被告人両名が、同候補者に当選を得しめる目的をもつて、千葉県長生郡長柄町における衆議院議員千葉三郎の支持者に同候補者のため投票並びに投票取纒方を依頼し、その報酬として金員を供与しようと相謀り、その資金として被告人師角から同早野に交付された金員の一部であつて、被告人早野において未だ現実に所定の選挙人に供与するにいたらないうちに発覚、検挙されたものであると認定したうえ、共謀者間の供与資金授受について、従来の判例が説いているように、交付罪、受交付罪の成立を、共謀者間の金員授受の故をもつて一概に否定することは相当でない、としながら、更に続けて、「交付罪が本来の買収違法類型である供与罪の準備的行為の禁止を本質とする所謂供与予備罪的なものであり、且共謀者間の供与資金の移動は一般的に供与罪の発生誘因となることは少いと考えられるから、買収資金供与共謀者間の授受と認められる場合でもその成立は必要欠くべからざる限度、例えば共謀者間の結び付きが弱く、且授与者の意思に受領者が盲従するにすぎないような場合とか、共謀の内容が単に選挙人に対する買収資金の供与という丈の抽象的なもので相手方も金額も供与の方法も含まれておらず受領者の裁量にこれらが任されているというような供与資金の授受によつて供与罪発生の危険が増大するという場合に限りこれを認めるべきであり、そうでない場合、例えば共謀者間の結びつきが鞏固で確固たる供与の共同意思と詳細な点までの共謀があり、共謀者間の供与資金授受に当りあたかも共謀者の一人の出捐する買収資金が共謀者全員に属するものであると考えられるに至つているような場合にまでこれを認めるのは妥当でない」と説示しているのである。そして本件の場合は、後者の場合に該当するから正に交付罪、受交付罪の成立を否定すべき事案である、との結論に達している。

思うに、共謀者間の供与資金の授受について、わが判例は概ね交付罪、受交付罪を構成するものでないとしてきた(大判、昭和九年四月一六日刑集一三巻四八五頁、同、昭和一二年六月一二日刑集一六巻九八四頁、同、昭和一二年七月九日刑集一六巻一〇九七頁、東京高判、昭和二六年一〇月三〇日高裁刑集四巻一一二頁参照)。ところで、これらの判例の理由とするところは、これを要約すれば、「数人共謀して選挙運動並びに投票の報酬となるべき資金を受領し、これを選挙人に投票の報酬等として供与する場合には、共謀者は全員一体としてその共同の犯意を実現することを計るのであるから、共謀者のうち、何人が資金を受領し、又その供与の実行の任に当つても、等しく右犯意実現のためにする行為の分担であるということができるのであつて、単に共謀者内部の関係における金員供与実行のためにする準備的行動に外ならないものと解すべきである」ということにあつた。すなわち、それは、判例の理論に従えば、共同正犯は、本来その共同の犯罪に付ては法律上同身一体の関係にあるものと看做さるべきであるから、共謀者間における前記供与資金の授受は、同一人格主体者における単なる金員の場所的移動と同視すべく(いわば右手から左手に移し替えるようなものである)、異る人格主体者間の金員の授受行為を規制する交付、受交付罪の規定をもつてこれを問擬することを得ないとするものであつた。

然し、当裁判所としては、原判決もいうようにかかる判例の理論には賛成することを得ないものと考える。思うに、交付罪受交付罪制定の趣旨は、昭和九年法律四九号による改正前の衆議院議員選挙法にあつては、買収行為をさせる目的をもつて金銭若しくは物品を選挙運動者に寄託したとするも、未だ供与にいたらないこの段階ではこれを処罰することを得なかつたためいわゆる選挙買収犯の取締を徹底するためには、金銭又は物品を供与した行為の外、なおこれらを供与のため交付し、その交付を受けた行為をも処罰する必要がある、とされたからであつた。すなわち、交付罪、受交付罪は、右に見た同罪制定の趣旨からも明らかであるように、選挙人又は選挙運動者に対する供与資金等の授受交付が、かの買収罪の中心ともいうべき供与、受供与罪に発展し、若しくは、同罪の発生を誘発する危険が極めて大いところから、これを未然に防止するため供与罪、受供与罪の準備的前段階的行為としてのかかる金員等の授受を、特に、独立の犯罪類型として法定し、これを処罰しようとしたものである。従つて、前記判例が供与を共謀した者の間における金員等の交付、受交付を、金員等の供与実行のためにする単なる準備的行動に外ならないことを理由として交付罪、受交付罪の成立を否定することは、まさに、かかる準備的行為それじたいを処罰しようとする交付罪、受交付罪制定の趣旨に明らかに矛盾するものといわなければならない。のみならず、供与罪における共謀共同正犯の成立要件としての共謀の内容をかなり緩かに認めるわが判例のもとでは、供与目的のための資金等を授受する両当事者間の関係は、概ね供与の共謀者として認定されることになるわけであろうが、かくては、前記判例理論によるときは供与資金等の授受は、その殆んどの場合が、いわゆる共謀者間の金員等の授受として、交付罪、受交付罪を構成せず、不処罰ということになり、同罪の成立する余地は従つて殆んどなくなるわけで、同罪制定の理由も事の実際において概ね失われてしまうであろう。この結論は明らかに不当である。

次に又、前記判例は供与を共謀した者の間における金員等の授受を、供与の共謀者としていわば一心同体の関係にあることを理由として交付罪、受交付罪の成立を否定している。ところで、実は、これらの判例で問題となつた事案はすべて供与を共謀した者の間における供与資金等の授受が更に供与行為にまで発展した場合に関するものであり、その場合、共謀による供与罪の外に、更に交付罪、受交付罪の成立が認められるかどうかということが問題となつていたのである。その限りにおいてはこれらの判例の示すところは首肯すべきであつたといえるのである。問題は、これらの判例の示すところを一般抽象化して、いわゆる共謀者間において供与資金等の授受のあつた場合のすべてを、共謀者間における金員等の授受を理由として直ちに交付罪、受交付罪の成立を否定するところにある。すなわち、両当事者間に供与の謀議が成立し、供与資金等の授受が行われた場合であつても、未だその供与資金等が現実に第三者に供与されない段階において、右両当事者間の関係を、供与罪のいわゆる共謀共同正犯として法律上一心同体の関係にあるものとして構成し、それを前提としてこの場合をも同一人格主体者のする金員等の単なる移動に過ぎないものと解するが如きは、もともと共謀共同正犯理論からするも支持し難いところというべきである。蓋し、共謀共同正犯論にいう一心同体という共同意思主体説も共謀者の一員が供与の実行行為に出て供与罪の成立する場合に、初めてこの供与罪の実行行為をした者とその実行行為をしない者とについて供与罪の共同正犯の成立を認めるための理論であり、共謀者の一員について供与罪の実行行為がない以上、ここでかの一心同体という共同意思主体説の如きを援いてくる理由がないからである。従つて、供与を共謀した者の間で供与資金等の授受があり、それが未だ供与罪にまで発展しなかつた場合については、前記判例の示すところは、とうてい拡張すべきではないということになる。そして、この解釈は、数人に対する供与を共謀した者の間で、供与資金等の授受があり、その一部については、当初予定の第三者に現実に供与されたが爾餘の分については、なお授受を受けた者の手裡に止り、未だ供与にいたらなかつた場合(本件の場合がそうである)において、この未だ供与されなかつた分についても同様に考えるべきである。供与罪は、もともと受供与者毎に各別に成立する犯罪と解されているのであるから、右の場合未だ供与されなかつた供与資金等について、それが既に供与された分と一括して授与されたとしても、これを後者と可分的に考え(殊に本件では被告人らは相談のうえ、各供与すべき相手方とこれに対する各供与金額とを取りきめこれを各別に封筒に入れ、被告人師角から同早野に交付したもので、そのうち一部供与された分と未だ供与されなかつた分とを可分的に考えることは容易である)、この分については、未だ供与罪にいたらなかつたものとして、上記に述べたところを、そのままあてはめて考えることができるからである。

このように考えてくると、供与を共謀した者の間における供与資金等の授受は、それが未だ供与罪にまでいたらない限り、共謀者間において行われたことの故を以つて不問に付すべきではなく、それが供与資金等の寄託、受寄託として交付罪、受交付罪の構成要件を充足する以上、やはり独立して公職選挙法二二一条一項五号にいわゆる交付罪、受交付罪をもつて処罰するのが相当である。この限りにおいてこれと同旨に出た原判決の見解は相当である。もつとも、この点について、原判決は、既に見た如く、共謀者間の供与資金の授受は、原則として交付罪、受交付罪を構成しないし、そして正に本件の如き場合は、同罪を構成するものではない。としているのである。然し、原判決のいつているように共謀の内容に区別を設けて、同罪の成立する場合と然らざる場合とを別異に取扱つて考えることは理由のあるものとはなし難い。原判決の見解の如きも又共謀者間の関係を法律上同心一体のものと考え、交付、受交付の行為を恰も同一人格主体者の行為と同一視する見解から脱し切れないものというべく、この場合、共謀共同正犯理論を前提とする右の論理の採用し難いことは既に述べたとおりである。しかも、原判決がいうように交付、受交付罪が供与罪を誘発する危険があることを問題にするのであれば、原判決の挙げている共謀者間の結びつきが鞏固で確固たる供与の共同意思と詳細な点までの共謀がある場合こそ、かえつて、供与資金等の交付は供与罪を誘発し、同罪にまで発展する危険の大なるものがあるとすべきであろう。要するに、共謀者であつても、法律上別異の人格主体者である以上、その共謀者間における供与資金等の授受が寄託受寄託として所定の構成要件を充足する限り交付罪、受交付罪の成立を否定すべき合理的理由はないものというべきである。原判決が、被告人師角と同早野間に行われた原判示供与資金一〇、〇〇〇円の金員授受について無罪の言い渡しをしたことはやはり法令適用の誤りがあるものというべきである。論旨は理由がある。

同第二点 事実誤認及び法令適用の誤りについて、

所論は、原判決は本件公訴事実中被告人師角、同早野間の原判示趣旨をもつてする金一八、〇〇〇円の供与、受供与の点を交付、受交付罪を構成するに過ぎないものと認定しているが、右一八、〇〇〇円については、被告人師角から、同早野にその処分を一任して手交したものであるから、その関係は供与罪、受供与罪を構成すべきものである、というのである。

所論に鑑み、本件記録及び原裁判所が取調べた証拠を検討し併せて当審における事実調べの結果を参酌してみるのに、被告人両名の検察官に対する各供述調書によれば、右金一八、〇〇〇円は、被告人師角から同早野に対し加納候補者の当選を得しめる目的をもつて第三者に対し同候補者のための投票取纒め等を依頼させ同人らに対するそのための報酬として渡させる意図のもとに授受されたものであるが、その供与の相手方とか金額とかについては、当時全然特定されておらず、その使途はすべて被告人早野の裁量に一任されていたこと、しかも、右金一八、〇〇〇円中には、いわゆる足代として一部選挙運動の報酬をも含む趣旨であつたことが認定できるのである(現に、被告人早野は千葉三郎事務所の備品とするため自己の金二、一五〇円を出して合羽一着を購入したが、その補填のため右金一八、〇〇〇円の中から三、〇〇〇円を抜いて自己の金と一緒にし、結局八五〇円を選挙運動の報酬として自ら受取つている。同被告人の昭和三七年一一月一四日付検察官に対する供述調書参照)。ところで、原判決は、公職選挙法二二一条一項一号所定の供与罪にいう財産上の利益の供与とは、選挙運動等に対する『報酬』として供与されることを指称するものというべきであるところ右金一八、〇〇〇円については、被告人両名間に報酬を含む趣旨で金員の授受が行われたと認めるに充分でない、として供与罪、従つて又受供与罪の成立を否定しているのである。然し右二二一条一項一号と三号の規定の文言を比照するとき、一号の場合には、三号のそれと異り特に報酬の文言を用いていないばかりでなく、右一号の場合には、選挙人又は選挙運動者に対し同号所定の目的をもつて財産上の利益を供与すれば、特に報酬とすることの要素が加わらなくても、直ちにそのことだけで財産上の利益の供与行為が違法づけられるものであること(もつともその場合でも報酬の意味を伴うことが一般であろう)、これに対し三号の場合には、報酬とする目的が加わることによつて初めて同号所定の行為が適法づけられる関係にあることを思えば、右一号所定の場合には、原判決のいうように特に報酬として財産上の利益が供与される必要はないものと解する。

そして、右一号所定の目的をもつて、第三者に供与すべき金員を交付した場合においても、その供与の相手方や供与すべき金額が特定しないで、その交付を受けた者の裁量にそれが一任されているときには、一応その全部について右交付を受けた者において供与を受け、その独自の裁量に基いて更に自ら適当とする他の第三者に、適宜の金員を供与すれば足りるわけであるから、この場合には、特に報酬性の有無を問わず、一号所定の供与罪が(従つてその相手方においては四号の受供与罪が)成立するものというべきである。

してみれば、前示事実関係にある本件の場合は、まさに、右供与罪、受供与罪の成立する場合である。仮りに、供与罪、受供与罪の成立について原判決のいうが如く特に報酬性を必要とするものと解してみても、前に見た如く本件の場合は、前記一八、〇〇〇円の金員の授与についてそのうち一部選挙運動の報酬を含むものであつたことは前認定のとおりであるから、その点においても、本件の場合は、やはり右供与罪、受供与罪に当るものというべきである。

果して然らば、原判決には、この点においても又法令の適用を誤つたか、事実の認定を誤つたかしが存するものというべく、論旨は理由がある。

以上、第一、二点の違法は原判決に影響を及ぼすことが明らかであるから、その余の論点に対する判断を省略し、刑訴法三九七条一項、三八〇条により原判決を破棄することとし、同法四〇〇条但し書に従い被告事件について更に判決する。

当裁判所の認定した罪となるべき事実は、原判決摘示事実に、

第一事実、被告人師角憲二郎は、昭和三七年一〇月二三日ころ、千葉県茂原市茂原五四三番地所在千葉三郎事務所において被告人早野良雄に対し、同候補者に当選を得しめる目的をもつて、同選挙の選挙人らに対し同候補者のための投票並びに投票取纒等の選挙運動の報酬として供与されたい旨依頼し、その資金として現金一〇、〇〇〇円(原審昭和三八年押第四五号の三、五、七、九及び一一はその一部)を交付し、

第二事実、被告人早野良雄は、前同日ころ、前同所において被告人師角憲二郎から前同趣旨で交付されるものであることの情を知りながら現金一〇、〇〇〇円(前同押号の三、五、七、九及び一一号はその一部)の交付を受け、

た、との事実を追加摘示するほか、原判示第一事実を第三事実とし以下順次、第二事実を第四事実、第三事実を第五事実とし右第三事実の交付しとあるのを供与し、と第四事実の交付を受けとあるのを供与を受けと各訂正するほか、すべて原判決に摘示するところと同一であるから、ここに、これを引用する。

(証拠の標目)(略)

(法令の適用)

法律を適用すると、被告人らの判示第一、第二の各所為は、いずれも公職選挙法二二一条一項五号に、同第三の所為は、同条一項一号に、同第四の所為は、同条一項四号に、同第五の一及び二の各所為は、同条一項一号、刑法六〇条に各該当するところ、判示第一、第二事実と同第五の一、及び二事実の関係について考えてみると、被告人両名は選挙人に対し前記目的、趣旨で現金を供与すべきことを共謀し、被告人師角憲二郎は被告人早野良雄に現金一二、〇〇〇円を交付し、早野は、そのうち二、〇〇〇円を判示第五の一、二事実記載の如く松本仁徳、大岩婦志に対し各一、〇〇〇円宛を現実に供与し、残金のうち一〇、〇〇〇円は被告人早野の手裡に止り、未だ選挙人に対し供与するにいたらなかつた(この一〇、〇〇〇円の金員授受の事実が被告人師角についての判示第一の交付、被告人早野についての同第二の受交付罪を構成する)というのであるから、この場合被告人師角についての右第一事実と第五の各事実及び被告人早野についての第二事実と第五の各事実は、当該各被告人についてそれぞれ包括して交付罪と各供与罪、及び受交付罪と各供与罪の各一罪(包括一罪)を構成し、いずれも重い各供与罪の刑に従い処断すべく、以上は、各被告人について刑法四五条前段の併合罪であるから、所定刑中いずれも懲役刑を選択し、同法四七条本文、一〇条により被告人師角については犯情重い判示第三の罪の刑に、同早野については同第四の罪の刑にそれぞれ法定の加重をした刑期範囲内で、被告人師角を懲役四月に、同早野を懲役三月に各処し、犯情いずれも刑の執行を猶豫するのを相当と認めるから、同法二五条一項一号により各三年間右各刑の執行を猶豫すべく、主文掲記の押収中の現金九、〇〇〇円は被告人師角が同早野に交付したもの、同一五、〇〇〇円は被告人早野が同師角から供与を受けたものであるから公職選挙法二二四条によりいずれも主文の如く当該関係被告人からこれを没収し、なお、被告人師角が同早野に交付した一〇、〇〇〇円中前記九、〇〇〇円を除くその余の一、〇〇〇円及び被告人早野が同師角から供与を受けた一八、〇〇〇円中前記一五、〇〇〇円を除くその余の三、〇〇〇円はこれを没収することができない場合であるから、同法条により当該関係被告人から、右各金員を追徴することとする。

よつて、主文のとおり判決する。

(裁判官 三宅富士郎 寺内冬樹 谷口正孝)

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